熱せん妄

☆先生、『うちの子、ひきつけっちゃって、訳の解らないこと言ってるのですが?』☆

この問題は、幼い頃の私も経験があるし、親として『愛する娘』がなった経験[実際の体験は
大切な事]があったので調べて、若干の私見を交えて報告します。

『日本医事新報』からの報告です。題名『熱せん妄[もう]の発生機序とその対策』[東京医
科大学小児科学教室教授星加明徳先生{とても温厚な優しい僕の先輩}の報告です]


設問:年少児の発熱時、悪夢にうなされる場合がある。個人差があるようですが、
      その発生機序と対応について。


回答:

@発熱時の異常な行動は、『熱せん妄[もう]』と呼ばれています。

Aこのせん妄は、軽度又は中等度の意識混濁に、錯視、幻視、幻聴や異常行動が加わり、特徴
ある臨床症状を呈する意識変容[意識の変わる事]の一型です。熱が高くなると、大脳の温度
が上昇します、大脳では、『暑い! 暑い! 助けてくれ!』という『SOS』が脳細胞から
『ノルアドレナリン・ノルエピネフリン。ドーパミン』等の化学物質をどんどん放出させる結果、
いろいろな複雑な精神神経症状が出現して来ます。

B特にこの『熱性せん妄』の場合、『認知機能[今の自分のおかれている状況を理解する機能]』
が傷害されるために、外界は夢幻[ゆめまぼろしの]様に変わり錯覚が起こり、実在するものと
区別ができない。

C熱せん妄の場合は、高熱で意識が混濁するとともに、幻覚や錯乱が現れ、不安・苦悶・精神
運動の興奮がみられるせん妄の一種で、高熱と代謝障害による脳の機能障害と病的な[正常で
はない]刺激症状と考えられています。

D一方『脳波』について。熱せん妄の時は、脳波は軽度に徐波化して、脳の興奮を表す速波が
混入する事があります。これは『レム[Rapid Eye Movement]睡眠』の時と似た脳波パターンで、
急速眼球運動[REM]を伴う。しかし『レム睡眠』と違うところは、筋電図の消失を伴わな
い事です。筋肉の脱力がないので、『レム睡眠中の夢の場合』と異なり幻覚や妄想に従って体
が動いてしまうために、これが異常行動となります。

E星加先生自身も小学生低学年の時に発熱を起し、非常な不思議な体験をなさったそうです。
熱が上昇した時に、『マッチ棒が部屋の空中に出現し、それが大きくなって自分にのしかかって
来て、自分が潰されそうになる。』と言う幻覚です。その時はマッチ棒も見えているし、自分の
部屋の壁や部屋の様子もいつもの通り見えていた。子ども心に、なぜないはずのマッチ棒が空中
にあるのかとても不思議に思ったそうです。医者になってから『熱せん妄』の典型的な症状であ
る事に気が付いたそうです。私の場合は、岩石 =チョウ怖かった。これが廊下から飛んでく
る!。助けを呼んでも忙しくて来ない!エーン・。

F先輩達から、昔は子供や老人が肺炎などの急性熱性疾患にかかった時にこの『熱せん妄』がよ
く見られたが、最近では抗生物質や、効果のある解熱剤の出現によって症状が軽く経過する事が
多いためにか?。『熱せん妄』自体が観察される事は少なくなったと言う話がある。実際にはか
なりあると思います。『ヒキツケ!』で処理されている?。

G初めて熱とともにこの様な症状が観察されたときは、『脳炎』等でもこの様な症状が表れられ
る事があるので、速めに医療機関を受診してください。

H治療方法は、いつもの通りに解熱剤を使用して、頭や腋下を冷やしてあげて、騒いでいる時
には、軽くひざに抱いて声をかけてあげて、不安を取ってあげましょう。

愛情をイッパイかけてあげてください。数時間以内に症状は収まります。

やっぱり『愛』が一番。

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