運動したり、クーラーの利いた部屋に入ったりすると、『ゼイゼイ』と苦しくなることがあります。これは、EIA[運動誘発性喘息:exercise induced asthma]、またはEIB[運動誘発性気管支攣縮:exercise induced bronchospasumus]と言われているものです。一般に、喘息が治っても、やや長めにこの症状が残ります。また、喘息にまで至らない人でも、このような症状が起きます。しかし、鍛練療法を長く続けると良くなります。特に皮膚の鍛練が効果的です。
原因:運動によって呼吸数が多くなり、気管支から熱が奪われることで、また、クーラーによって気管支から熱が奪われる結果、気管支筋が収縮します。気管支が収縮すると、痰がうまく出なくなり、結果的にゼイゼイします。実験的に、10名の喘息児を『室温15度』の部屋に入っていてもらい、次に『室温25度』に設定した部屋に移ってもらいました。すると、50%以上の喘息児が発作を起こしました。逆の実験も行いました。すると、暖かい部屋から寒い部屋に移った場合の方が発作は多く起こというる結果を得ました。ヒートロス[熱喪失]が原因である証明になりました。
さて、これらの現象を予防するにはどうしたら良いか、について述べてみましょう。
@気管支を拡げるような薬[実際は気管支の収縮を抑える薬と言った方が正確な言い方ですが]の予防的内服:a:テオフィリン製剤[テオドール、テオロング、スロービットなど]があります。しかし、長く飲んでいて良いか、手の震え、興奮する、といった好ましくない作用もありますので、慎重に使います。
本来は血液の濃度をモニターしながら使用する方法が勧められます。現在では15分でこの血中濃度が測定できるようになりました。この『テオフィリン製剤』は個人差があるのが欠点であり、医者として匙加減[さじかげん]の難しい薬の一つになっています。
b:β2刺激剤[ホクナリン、ベロテック、メプチン、ブロンコリン、アロテック、アトックなど]の予防的内服:好ましくない作用として、動悸や気分が悪くなったり手が震えたりする場合があります。でも、上手につかうと効果的です。喘息があり、頻繁に起こる人には用いても良いと思います。
Aインタール[クロモグリク酸ナトリウム]の予防的吸入:私の個人的な意見としては、この現象を防ぐ第一次選択薬であると思っています。カプセル[スピンヘラーという専用の容器で吸入する方法]、吸入液[ネブライザーで吸入する方法]、エアロゾル[ガスで噴射して吸入する方法]があります。
このインタールの良い点は、何回やっても副作用が出ない点で、我々医療者も安心して処方できます。欠点は、あまり小さな子供にできない点と、めんどくさいと言われる事です。
B抗アレルギー剤[ザジテン、ペミラストン、セルテクト、トリルダン]の予防的内服:気道の過敏性が元にあると考えられますので、試みて効果があると思います。
C漢方薬は効果があるか:あると思います。漢方薬の予防的効果は確実にあると思います。自分自身で実証済みであるからです。
Dその他、マスクの着用、準備運動を十分に行うことなどは現実に大変効果的です。またケガの予防にもなります。筋肉の準備運動にも良いことです。
以上のこと事を複数行って『ゼイゼイ』を防ぎ、楽しい生活を送りましょう。主治医と良く相談し納得して医療を受けて下さい。