『先生! 私、最近、肩凝りがひどいの。治療方法にはどんな方法がありますか?』
昔、明治天皇が、側近の医者に『何故人は眠るのか』と質問した由。『それは、眠らないと、フトン屋さんが困るからです』と答えたそうです。だから『人は、何故肩が凝るのか』、『それは、凝らないと、マッサージ屋さんが困るからです』なあーんて答えたら、困っちゃうので医学的に答えます。
肩が凝るということは、生体からのSOS信号と私はとらえています。外に余病はあるか? という見地からです。例えば、高血圧症、肥満症、クモ膜下出血の前兆現象、老眼の始まり、高脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞の前兆、胃潰瘍、胃ガンなどいろいろな病気の前兆とみます。このようにして診ていって、疑わしいのは検査をします。また、自院では精検(精密検査)が無理の場合は、都立病院、大学病院、などにお願いしています。
原因はいろいろありますが、その原因別に分類してもあまりに難しいので、治療別に分類します。
1:姿勢の注意ぐらいで治っちゃう肩凝り症
2:マッサージぐらいで治っちゃう肩凝り症:これらも一回ぐらいは検査を受けに来てほしいと思っています。
3:ハップ剤などで治る肩凝り症:シンパス、ドリース、カトレップ、モムホットなどのハップ剤、インテバン軟膏、モビラート軟膏、イドメシンゲルなどの軟膏類で治るものもあります。
4:漢方薬で治る肩凝り症:
@大柴胡湯:体力充実、便秘傾向の人で、肥満を伴っている場合に良い。
A柴胡加竜骨牡蛎湯:体格は比較的良く、精神が敏感な人で、不眠や熟眠感のない人に良い。
B葛根湯:肩凝り症のファーストチョイスです。体力はあり、おなかを触ると、大塚臍上圧痛点と言う所見があります。マメ科の植物である葛根には、痛みを取り去る働きがありますし、マオウ科の麻黄にも筋肉を弛緩させる作用があります。その他、生姜、大そう、桂皮、芍薬、甘草の七味で構成されています。
C小柴胡湯:皆さんは、肝臓の薬だと思っていますがそれは間違いです。腹部をさわると、胸脇苦満を認めます。
D柴胡桂枝湯:一般的に用いられる薬方です。
E加味逍遥散:不安、不定愁訴の加わるときに良いと思います。
F当帰芍薬散:冷えたり、クーラーに弱い、腹部を押すと下腹部に圧痛点を認めます。淤血と言う症状です。その他、柴胡桂枝乾姜湯、六君子湯、呉茱萸湯などがあります。
5:筋弛緩剤の投与で治る肩凝り症:セルシン[2_c]、テルネリン錠などを投与します。
6:消炎剤の投与で治る肩凝り症:いろいろな消炎鎮痛剤がありますが、特に老人では胃潰瘍の原因になる場合もありますので、慎重な投与が大切です。胃薬との併用をします。
大体このくらい位の治療で90%は治ります。後は整形外科、脳外科などに送院します。いずれにしても養生が大切。また、熱いシャワーを浴びながらゆっくりと腕を動かして運動するのも良いと思います。
以上、まず一回は診察を受けて下さいね!