先日、本を読んでいたら、おもしろく希望のある論文に出合いました。
悪性腫瘍、即ち『ガン』が恐れられている最も大きな理由は、『転移』がある事です。まだ目に見えない、極極小さな転移した『ガン』を治療しようとしても、当然どこにできているのか、どこにあるのか解りませんので、それを探させて治療してしまおう、という一挙両得な方法について書いてあります。
1:単球:Monocyte[モノサイト]と言います。白血球の仲間です。この白血球の特徴は、まあ警察組織で例えるならば、機動隊です。外から入って来た異物の除去に、まず始めに動員されます。
2:活性化単球:患者さん自身の単球を活性化といって、言ってみれば、ウルトラマンまたは、スーパーマンに変身させます。その方法は、こうです。患者さんの体内に、muramyl tripeptide phosphatidylethanolamine[へんーしん新物質]を静脈注射します。すると、この物質は異物ですので、1の単球が掃除しに来ます。ばーくばーくその新物質を食べた単球はヘンーシン[変身]して『ガン細胞』が恐れているコワーイTNF[tumor necrosis factor]『腫瘍壊死因子』などを放出するウルトラスーパーマンになってしまいます。
3:このウルトラスーパーマン単球が、体中の血管を流れていって、小さな『ガン細胞』でも見逃さずにそれを攻撃します。そのときに放出するのが上記の[腫瘍壊死因子]なのです。その他、単球や、他の白血球に抗腫瘍効果を誘導するような物質としては、lipopolysaccharide[LPS]『リポポリサッカライド』やBCGなどがあります。
4:このような方法を今まで勉強して来た言葉で言うと、BRM[biologicalresponse modifier]『生体機能賦活作用』を増強するための方法といいます。免疫療法の事です。そこでまた、得意の『漢方治療』になるわけです。
BRMを増強するような作用のある漢方薬にはどんなものがあるのでしょうか。
@小柴胡湯:しょうさいことう:体力中程度、腹部を触診すると圧痛[胸脇苦満]があります。
A小建中湯:しょうけんちゅうとう:比較的体の虚弱な人で腹部を触診すると正中芯といって一本の筋が見受けられます。
B小青竜湯:しょうせいりゅうとう:腹部を触診すると、チャポンチャッポンという音がします。これを心下部浸水音といいます。
その他、小柴胡湯合半夏厚朴湯[しょうさいことうごうはんげこうぼくとう]、柴胡桂枝湯[さいこけいしとう]、五苓散[ごれいさん]、麻杏甘石湯[まきょうかんせきとう]など多数あります。確かに漢方薬をふだんから飲んでいる子供も大人も『風邪を引きにくくなった』といいます。BRMが増強しているんですね。
なってからよりも、ならないためにどうしたらよいかを研究することのほうが大切だと思います。風邪もガンも基本的には同じこと。早期発見に早期治療。これ常識になるわけです。