移植における拒絶反応とアレルギー反応は同じです。最近とみに移殖問題がクローズアップされていますが、拒絶反応の問題で少し調べたら、アトピー性のなりたちと同じ問題を抱えていました。
ヒトの組織や臓器の移殖を行うと、一卵性双生児を除いて、適切な免疫抑制剤を使わないと、その移殖された組織や臓器はやがて壊死に陥ってしまう。これが拒絶反応というものです。なぜ、このような拒絶反応が起こるのでしょうか? この答えがまさにアレルギー反応なのです。
一般に自分の物とそうではない物との区別は、こと人間自身の体の組織においては、もう病的なほどの潔癖性があります。この潔癖性を、免疫応答即ち拒絶反応と言っています。この潔癖性が更に強い人たちのことを『アトピー性素因のある人たち』と言います。
1956年に、Medawar先生によって、拒絶反応は免疫反応と同じ仕組みによることが提唱された。次の2つの過程から成ることも証明された。アレルギーの起こる仕組みとも共通するので、一緒に説明をして見ましょう。
1:拒絶反応の認識相:移植を受けた人体は、その移殖された他人の臓器について、免疫担当組織で、異物であり、かつ自分とは違う敵であると認識がなされる。主として移殖の場合、問題になるのは、HLA坑原[Human leukocyte antigen]である。
これを専門的には、MHCA[major histocompatibility antigen:主要組織坑原]と呼んでいる。HLA坑原は、ヒト第6染色体短腕に存在している免疫担当遺伝子のことで、A,B,C,DR,DQ,DPに分類されている。ちなみに『スギ花粉症』の免疫担当遺伝子は、このHLA坑原中の[DQws]の部位にあるとされている。
アレルギー学で考えると、この「自分とは異なる敵」であるという認識の『拒絶反応の認識相』は、『感作』という過程のことを言います。
2:拒絶反応の好奏相:自分の体とは異なる敵であると免疫担当細胞から命令が下ると、治安担当部隊である『キラー細胞』[機動隊だと思ってください。]が、バンバン、移殖された組織の破壊を一生懸命に行います。液性坑体と言って、免疫グロブリンの中の、移殖された臓器に対する反対物質も動員され、移植された臓器は降参して、壊死と言って腐ってしまいます。
アレルギー学で言うと、もし今年初めて杉の花粉症に罹ってしまった人がいると仮定する。この人は去年から『杉花粉』に対して彼の免疫担当細胞が、『杉の花粉』は、自分に対して敵であるという認識をしたわけです。[これを拒絶反応でいうと認識層と言い、アレルギー学でいうと感作を受けたと言います。どちらもほぼ同じこと]認識されると、もう大変です。『杉花粉』にたいする坑体や『キラー細胞』がどんどんと、『杉花粉』の侵入した部位で大暴れします。
その結果、『目が痒い』『クシャミがでる』『鼻水が止まらない』『頭が痛い』『ゼンソク発作が起こる』などのアレルギー症状が出ます。まあ、考えて見ると、人間が健康に生きるために必要な免疫組織が、環境の破壊などで敏感になり過ぎたのか、添加物などの薬で体自体が過敏になったのか、または両者の複雑な組み合わせで起こるのであると考えています。
『臓器移殖拒絶反応』も『アレルギー』も免疫という広い学問では全く同じ現象が起こったためです。従って、免疫状態をうまく調節すると言われている、漢方製剤をもっと移殖に利用すれば良いと思います。