先生何で動脈硬化ってやつは、起こるんですか?。について一言

田村医院 田村 仁

動脈硬化のできる仕組みについてはもうかなりのレベルにまで研究がされて、直接動脈硬化を治してしまう薬剤も開発がなされています。人間の血管を下水管に例えると解り易いと思うので説明してみます。古くなると下水管には色々なゴミや垢がくっついて来ます、特に問題なのは、『油』なのです。下水管にゴミが溜まってくると、段々中が狭くなって来て最後には煽れ出してしまいます。人間の動脈の硬化の仕組みもほぼ同じです。

1:正常の血管は内側から@内皮細胞、A内膜、B中膜、C外膜の4つの層に分けられる。そして血液が外に漏れないようにし且つ、栄養分や酸素の供給を行っています。ところが、コレステロールや中性脂肪や、特に悪玉コレステロールのLDLコレステロールが高い人の血管の中では、内皮細胞が上記のコレステロール群で障害を受けて粥状硬化が起こって来ます。 

2:50%程度の粥状硬化が起こっている血管は、高コレステロール血症や高脂血症をほっておくと、上記の血管内皮細胞が障害を受けてLDLコレステロールが血管の内壁にどんどん入って来ます。又マクロファージと言う白血球も侵入して来て血管の内壁を壊して行きます。でも自覚症状はまだ出ません。主に狭窄[狭くなる事]を受ける細胞は、心臓の血管や脳の血管です。

3:そして75%程度の狭窄を起こした血管に成って初めて、動悸、息切れ、胸が圧迫される等の狭心症症状を訴えます。又めまい、ふらつき、頭痛等の脳症状を訴えます。ここまでは何にも自覚的な症状が起きないために、サイレントキラー[静かな殺人者]と呼ばれるのです。こうなると血管の弾力性も失われて行き、少しの血圧の変化にもついて行けずに、血栓、出血を起こします。これが、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血等です。4:図4の様に、その90%以上が狭窄するともう心筋梗塞や脳梗塞と言って元には戻れない重症な状態になります。心臓の場合には、CCU[心臓集中治療室]への収容になり、心臓に直接カテーテルを入れてその狭くなった場所を拡げる方法[バルーンパンピング療法]や、選択的血栓溶解剤集中注入法等が試みられ、最悪の場合は、心臓を一回止めて、バイパス手術を行います。脳血管で起こった場合には、脳梗塞で、半身不随や言語障害、知呆状態になります。

これ以上になったら治すのが難しいので、早めにこうならない様な予防が大切になります。そのためにも薬を飲む必要があるのです。くすり漬け等はあろうはずはありません。
アスピリンの少量投与、チクロピジン併用、高脂血症治療薬、血管拡張剤等が使われます。予防の大切さを今回は勉強しました。今回終わり。



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