☆ウンコが出ないのですが……[直腸性便秘症の病態と治療方法]
最近は、生活習慣の急激な変化と文明病と忙しい生活のため、増加傾向にあるので調べてみました。
[昭和大学医学部第二内科講師吉川望海先生の発表]
@定義:Barnes博士とHurst博士が、慢性機能性便秘症のうち直腸の伸展刺激に対する感受性の低下による便秘を直腸性排便困難症[Dyschezia]と名付けた。[肛門のすぐ上にある直腸は、便が来ると普通は『便を出したくなる。』刺激が脳に伝達されます。
しかし、この刺激に慣れてしまうか不感症になると、便が来ても脳に刺激が伝わらないために『排便刺激』が起こらなくなる事]
A青年女子が環境の違いから便意を抑制する事が重なり、直腸膨大部の伸展刺激に対する刺激閾値上昇した場合や、老年者の内蔵知覚鈍磨の著しい場合等である。浣腸常習者や刺激性緩下剤を濫用した場合も同じ似た症状になります。
B通常の排便反射[いつものウンコの出る仕組み]
通常の排便反射は、直腸の伸展によって起こり
→壁内神経系による粘膜内反射で、口側の運動亢進、肛門側の運動抑制が起こり
→同時に外反射が働き、仙髄[尾てい骨の側にある]と橋[大脳にある]との間の『排便反射中枢』を介して
→骨盤神経を介して、結腸及び直腸運動を亢進させ、内肛門括約筋を緩ませる
→これに加えて、呼吸は吸気位に一時停止させ、声門を閉じる。横隔膜と腹筋を収縮させ、腹腔内圧を上げる
→上記を律動的に繰り返す事により、『いきみ反射』が起こる
→この『いきみ反射』の中枢は『脳の橋』にあり、本来は不随意的[意のままにはならない]運動であるが一生懸命に『努力する』ことも加わり
→骨盤にあるいろいろな筋肉が緩み
→骨盤底が下に行き
→直腸を引き上げ、S状結腸を真っすぐにして
→やっと完了
出ました難産。
要略:ウンコが出るまでの神経支配は、複雑で神秘的で、難しい。ただ出すだけではない。
C正常の便の位置:正常では、便はS字状結腸内に蓄えられています。直腸には無い。
D便意は、S字状結腸から直腸への移動で感じます。
Eこの作用[蠕動作用]は、胃−腸反射の引き金になる『胃の充満』で始まります。
F直腸内に便が溜まっても、直ちに排出する事はなく、正常の直腸は、『ガスによる膨満感か? 液体によるものなのか? 糞便によるものなのか?』を識別して排泄する。[人間の『お体って』神秘的ですね。だから『お命・健康』は大切に!]
G以上のように理屈が解ると、高齢者の方々も『なぜ便秘?』するのかが解ります。
上記の機能が減退するからです。納得!
H治療方法:以上の仕組みがはっきり理解できると、答えは簡単になります。
a:長期的な腸訓練:何事も訓練。朝食後に『精神的にくつろぎ』、規則的かつ十分な時間を排便時間に充てる。[パブロフの訓練]
b:姿勢は青年達は『ウンコ式[日本式]』、高齢者の方々は『椅子式[西洋便所式]』。
c:ふだんの腹筋や括約筋の訓練[筋肉筋肉を締[し]めることがポイント]。
d:薬物治療方法:私個人の考え方は『なるべく食事療法』。次は『漢方療法』。大黄甘草湯、潤腸湯、麻子仁丸、桃核丞気湯、三黄瀉心湯、桂枝加芍薬大黄湯、真武湯等があります。また、大黄をさらに加えたり、飲めない人には、『スナイリンドライシロップ[小児用:北陸製薬]』を投与します。『プルセニド[ノバルチスファーマ]』『ラキソベロン[帝人]』『カマ』等も用います。『ウンコの出ている状況も診てー』ってな『濃密・乱心[診]』診療は『失礼』なので、患者さん方、自分自身で『適切な薬用量』を調節してもらっています。